スポーツ庁委託事業(2023~2025年度)成果報告 ―地域スポーツ医・科学支援体制の構築―

新潟スポーツ医・科学コンソーシアムは、スポーツ庁委託事業「地域におけるスポーツ医・科学サポート体制構築事業」(2023~2025年度)を通じ、新潟県におけるスポーツ医・科学拠点の形成に取り組んできました。その成果として、「産官学連携による地域スポーツ医・科学支援体制構築」のためのマニュアルを作成いたしました。

我が国のスポーツ医・科学支援は、主にトップアスリートへの高度専門的支援を中心に発展してきました。一方、育成年代の選手や地域クラブ所属選手、学校部活動等への支援では、人的・組織的資源の分散や属人的な取組への依存により、体系的かつ継続的な支援体制が十分に整っていません。傷害予防や早期対応の遅れ、競技力向上に資するデータの蓄積不足、地域間の支援格差などが課題となっています。

こうした課題を背景に、本事業では、新潟医療福祉大学を中心に、新潟リハビリテーション病院、新潟県健康づくり・スポーツ医科学センターが連携する産官学協働体制を構築してきました。大学の教育・研究基盤を核に、医療機関、行政、競技団体、職能団体等が参画し、新潟独自のスポーツ医・科学支援体制づくりを進めてきました。

運営にあたっては、個々の専門職の献身や努力に依存せず、役割分担と連携に基づく組織的な支援体制を重視してきました。事業の継続性を確保するとともに、次世代人材の育成や支援の質の標準化を図り、地域に根差した持続可能な仕組みづくりに取り組んでいます。

本コンソーシアムの特徴は、特定の組織や個人に依存しないネットワーク型の体制を基盤に、検診・教育・研究を循環させながら地域に実装する点にあります。新潟県の特性を踏まえつつ、県内外の自治体や地域ブロックへの展開も視野に入れ、他地域にも応用可能なモデルを目指しています。

本マニュアルは、これまでの実践と運営経験を体系的に整理し、地域におけるスポーツ医・科学支援体制構築の指針としてまとめたものです。新潟県内の取組の共有に加え、各地域で支援体制を検討する関係者の参考資料となり、持続可能な地域スポーツ医・科学支援の発展に寄与することを期待しています。